1月18日(日)放送された「情熱大陸」に日本の嚥下医療を牽引する喉頭外科医である上羽瑠美先生が出演されます。
番組サイトでは上羽先生は日本の嚥下医療を牽引する喉頭外科医と紹介されています。「嚥下(えんげ)医療」とあまり聞きなれない医療分野でしたので、私もその存在を知りませんでした。
今回は「嚥下医療」とはどのような医療なのか、また日本の嚥下医療の現状や治療方法、上羽先生自身についても学びたいと思いまとめてみました。
上羽瑠美先生が情熱大陸に出演されます。
1月18日にTBS系列で放送される「情熱大陸」に上羽瑠美先生が出演されました。
番組の公式サイトには次にように告知されています。
加齢による筋力の低下は、喉にも起きることをご存じだろうか?
食事中によくむせる。飲み込みづらい。食事時間が長くなった。
これらは、喉の筋肉や神経の異変を知らせるシグナルだ。
この「嚥下障害」は、脳梗塞や脳腫瘍、神経疾患などが原因でも起こりうる。超高齢化社会の昨今、ニーズが急速に高まっている医療分野だ。
各地の大学病院などに嚥下の専門科は存在するが、その草分け的存在が「東大病院・摂食嚥下センター」。2021年に国立大として初めて診察を担う正式な部門として設立された。中心となったのが日本の嚥下医療を牽引する喉頭外科医・上羽瑠美医師だ。
自身を「喉オタク」と呼ぶ気さくな人柄。食べることが大好きで、「食べられなくなってしまった患者の役に立ちたい」という一心で研鑽を積んできた。「突然食べ物が飲み込みづらくなった」、「声が出にくくなり、水を飲むと激しくむせる」。治療が困難な患者たちの中には、上羽の治療に一縷の望みを託す人もいる。
そのうちの一人、脳腫瘍の手術で一命を取り留めたものの、重度の嚥下障害になってしまった71歳の女性は、「もう一度、口から物を食べたい」という切なる願いを訴えた。
上羽は複数の手術を組み合わせた「嚥下機能改善手術」で患者の希望に応えようとするが、想定以上に障害が重く、手術の効果が十分に見込めないことが判明する。果たして、患者の「食べる喜び」を取り戻すことができるのか…?毎日放送、情熱大陸公式サイトより引用:https://www.mbs.jp/jounetsu/
私自身還暦を目前にしている身なので、そう言われれば思い当たることばかりです。食事時間が長くなった、時々食事中にむせるなどは実感していましたが、歳のせいだから仕方がない、と気にも留めていませんでした。
しかし、よく考えてみると今まで当たり前にごはんや好きなものを食べたり飲んだり出来ていたのが、加齢とともにそれが出来なくなったら、と考えるととても怖いですよね。
番組では上羽医師が患者さんを診察する様子が紹介されました。
男性患者(69歳)が紹介され、症状としては
・1年半前に突然声が出にくくなった
・液体を飲み込むのが辛くなった
・しゃべっているとつらい
・電話をしていると途中で息が途切れる
上羽先生は内視鏡を使って喉の奥の声帯などの動きを見ながら調べて行きます。
<状態>
・片方の声帯が麻痺して動かず、隙間が出来てしまったおり、ここから息が漏れかすれる
要因になっている
・声帯の不具合により、液体を飲んでもらうと激しくむせてしまう
ー>声帯が開いたままになっているのが原因
声帯が開いたままでは唾液や飲食物の細菌が肺に入り、炎症を起こす恐れがある
<患者の声>
・普通の食事を食べるのは普通に食べれるけれど、飲む方が気を付けて少しづつ少しづつ
飲むようにしている。
(スタッフ)「一気に飲むのが怖い?」
(患者) 「怖いです、そんな飲み方しないです」
上羽先生は最終的に喉にメスをいれる決断をします。
手術は約2時間、声帯の様子をモニターで確認し、患者の声を聞きながら声帯の治療が
行われました。
そして、手術から2ヶ月後、患者さんが術後の検査で上羽先生を訪れます。
(上羽先生が喉の画像を見ながら)液体がスムーズに喉を通過している様子を確認します。
声が出るようになったのを確認して、それは声帯が正常にピタリと閉じているからと語られました。
(患者)「前の自分に戻ったような気持ちで、すっかり(喉のところを示しながら)ここが悪かったことを忘れるぐらいの状態です」と喜んでいる様子が描かれていました。
(上羽先生)「困っている中でも何かできることを、それが緩和できる方法を道がちょっとでも開ければ、患者さんにとって新しい道を切り開く、お手伝いをしているだけです」と先生の気持ちを語られていました。
咽頭外科医の専門医「上羽瑠美」
上羽瑠美先生についてですが、番組の公式サイトに経歴が紹介されています。
1977年 愛媛県松山市生まれ
「制御不能」なほど明朗活発な子どもで、一度ハマると際限なく突き詰める性格は今も変わらず。幼少期はドラゴンクエスト、学生時代はテニスに夢中に。
「手先の器用さを活かせるかも」と奈良県立医科大学に進学するも、テニス漬けの日々を送る。
研修医1年目、嚥下障害のある患者との出会いをきっかけに嚥下医療の道へ。
現在は診療の傍ら数々の臨床研究を行い、著書や論文の執筆、講演会など多忙を極める。
2021年から東京大学医学部准教授。東大病院摂食嚥下センターを設立し、センター長に就任。毎日放送、情熱大陸公式サイトより引用:https://www.mbs.jp/jounetsu/
紹介文の中で”嚥下障害のある患者さんとの出会いをきっかけに「嚥下医療」の道へ進んだとあります。
ここで「嚥下障害」について調べて見ました。
「一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会」公式サイトの文章を引用:
https://www.jibika.or.jp/owned/contents6.html食べ物や飲み物を「ごっくん」と飲み込み、食道から胃へと送り込む一連の動作を嚥下(えんげ)といいます。通常は何も考えなくても、まばたきをするくらいのわずかな時間に嚥下しますが、加齢や病気などによって、うまくできない状態になることがあります。
このような状態のことを「嚥下障害」といいます。※一部編集しています。
番組内では、
上羽瑠美先生は東大病院摂食嚥下センターのリーダーで、ここには嚥下機能を回復させるために多様なエキスパートが集まっています。このチームが診療を担う正式な部門として発足したのは5年前のこと、嚥下治療の高まるニーズに応えて上羽が立ち上げたチームであると紹介されました。
<インタビュー>
(上羽)「大学で医学部に入ったけれども、医者になりたかったわけではない。手先が器用だし、いろいろ考えるのが好きだから、何かそういう特技を生かすところに行きたいと思った結果、気が付いたら医学部になっていた。」
その後、転機は研修医1年目の時で、舌癌で食べることがおぼつかなくなった高齢の女性患者を診ることになった時だったそうです。
(上羽)「患者さんに毎日会いに行ってお昼ごはんとか朝ごはん30日間ほぼ毎日一緒に食べていた
とろみがないって食べにくいねとか、姿勢こうやった方がいいんじゃないかとか、いろいろそのおばあちゃんと二人でやっていくうちにそのおばあちゃんが口から食べれるようになって退院できたんですよ。患者さんをサポートできるようなお手伝いできる仕事が合ってるかもなって、その時に思った。」
その上羽先生が嚥下という医療分野を牽引しています。病院では日々患者さんを診る傍ら、嚥下治療の研究や院内での勉強会の開催を精力的に行い、その分野への認知を広げている活動をされている姿はすばらしいとしか言いようがありません。
また、番組内では喉の画像から嚥下機能を確認するのにVRを採用して治療方針を立てる様子が紹介されていました。このVRを採用したしたのは上羽医師たちが世界初だったそうです。
番組では患者さん自身のこと、ご家族のことに寄り添いながら最適な治療方針を決めていく上羽先生の姿がありました。先生が医学部に入った頃「患者さんとサポートする仕事が合っている」と語っていたのも、日ごろからの患者との接し方を見るとよく分かります。
上羽瑠美先生の経歴と家族は?
上羽瑠美先生の経歴は次の通りです。
2003年5月 医師国家試験合格
研修医(東京大学 耳鼻咽喉科)
(気道疾患と嚥下診療に興味を持つ ⇒ 専門を決定:咽頭・気管・嚥下・音声)
2005年4月 NTT東日本関東病院 耳鼻咽喉科
2007年4月 東京都立神経病院 神経耳科
2008年4月 亀田総合病院 耳鼻咽喉科
(この頃、ご結婚)
2010年9月 東京大学 耳鼻咽喉科 特任臨床医
2012年5月 Visiting resercher
(Department of Pathology , University of Michigan)
2012年12月 東京大学 耳鼻咽喉科 助教
2017年 1月 学位取得
公式の発表では2008年にご結婚された事以外、詳しい情報は公表されていないようです。
まとめ
「情熱大陸」で”嚥下治療”という医療分野を知りましたが、考えてみると人が普通に食べたり飲んだりしていたことがある日突然できなくなってしまうという事はとてもつらい事ですよね。そのつらい気持ちを少しでも理解して患者の身になってお手伝いをするという、上羽先生の姿勢はすばらしいです。
これからどんどん高齢化が加速するなか、嚥下治療の必要性・重要性が高まると思うので、さらに広まっていって欲しいと思いました。


コメント